
【政治報道】 令和五年六月二十日に日本財団(代表理事:笹川陽平)は、第四回テーマ『少子化と子育て(少子化を背景とした女性の子育て意識)』の調査報告を公表した。
対象は、全国の十八~六十九歳の女性。回答数=一万人(人口比率に合わせ、五階層に分け集約)。調査期間は三月。
少子化の進行による影響では、「年金・医療・介護等、社会の基幹システムの見直しが必要になる」が三割、「社会を支える若者の負担が増える」は三割弱、「経済が低迷し、社会が活気を失う」は一割強の順となった。
子どもの将来を鑑みた際の日本社会への不安
複数回答。十代・二十代は「特にない、分からない」が三割弱。「経済競争力の低下」を最も不安視したのは、四十代。
財政悪化による医療・年金等、国の基幹システム崩壊
人口減少による労働力の低下
地震等、自然災害の激甚化
食糧・エネ資源不足の深刻化
経済競争力の低下
国・自治体・企業に求める少子化対策

複数回答。「出産・子育てに対する公的支援の強化」を最も求めたのは、十代・二十代。「事実婚や婚外子(非嫡出子)を認める法律の整備」も一割いた。
賃金の上昇(アップ)
教育費の無料化・支援の拡大
出産・子育てに対する公的支援の強化
子ども関連予算を増やすべきか?

十代・二十代の「分からない」は四割弱と各世代の中で最多。併せて、「予算を増やすべき」も三割弱で最多。他方、六十代は「具体的な少子化対策」が五割となった。
金額ではなく、具体的な少子化対策を打ち出すのが先決だ=四割弱
分からない=三割
最優先の課題として取組み、予算を増やすべき=二割
財源が悪化している現状では、予算増額は現実的ではない=二割弱
子ども関連予算の財源
「消費税率の引上げ」「医療費の本人負担増」「所得税率の引上げ」「介護費の本人負担増」「公的年金や介護費の給付開始時期の引上げや給付額の引下げ」への反対は、六割以上。消費税に至っては、七割強が反対。
現実的な「国債の発行」は、反対=四割、賛成=二割と財務官僚等による誤った知識が未だに蔓延している。
賛成は「途上国等に対する支援の減額」「法人税率の引上げ」「防衛費の減額」「道路整備等、公共事業の縮小」が四割以上となった。日本財団の選択肢の中で以下は、財政緊縮案。
消費税率の引上げ
医療費の本人負担増
所得税率の引上げ
介護費の本人負担増
公的年金や介護費の給付開始時期の引上げや給付額の引下げ
道路整備等、公共事業の縮小
防衛費の減額
「国債発行」で反対が多い年代順は十代・二十代、六十代、三十代・四十代、五十代。
岸田内閣の対策が、少子化解消へ効果があると思うか?

十代・二十代と六十代は、他年代よりも岸田内閣の対策を「効果があると思う」と判断。四十代が最も岸田内閣の対策を「効果はないと思う」と判断。
「予測がつかない」=四割
「少しは効果があると思う」=三割強
「まったく効果はないと思う」=二割
「一定の効果があると思う」=一割弱
「こども家庭庁」に期待するコト
複数回答。十代・二十代は「保育支援の充実」が次点。三十代は「少子化の改善」が次点。四十代は「子どもの貧困の改善」が次点。四年代全て「特に期待するコトはない・分からない」が最多。
特に期待するコトはない・分からない
子どもの貧困の改善
少子化の改善
画像:第4回1万人女性意識調査「テーマ:少子化を背景とした女性の子育て意識」調査報告書/日本財団