【政治報道】 岸田総理(丁酉)は、令和五年七月十二日にリトアニアにてイェンス・ストルテンベルグ(己亥)北大西洋条約機構(NATO)事務総長との間で共同記者発表・会談を行い、日NATO協力に関する新計画『国別適合パートナシップ計画(ITPP)』が合意に至った事を歓迎した。
事務総長からは、「欧州大西洋」と「インド太平洋」の安保が密接に連関している今、日N協力の更なる発展が重要である旨を述べた。また岸田総理からは、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOは、絆を更に深めていくべきである旨を述べた。
本計画は、新時代の挑戦に対応すべく、日N協力を新たな高みへと引上げる為に策定した日N間の新たな枠組み協力文書。本年より令和九年までの四年間が対象。
<協力の基本的な考え方>
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、日N協力を強化していく事が重要。「インド太平洋」の状況は、「欧州大西洋」の安保にも影響する為、Nにとってインド太平洋地域は重要。
アジア太平洋パートナとの連携も含め、共通の安保課題に対応すべく協力を強化。安保環境や脅威・課題・リスクについて協議を強化し、実務的協力を推進する重要性は高まっている。
以下三点が、協力の戦略的目標。戦略的連携に向け、日N協力の進捗をレビュー(戦略連携フレームワーク)。
対話・協議の強化
実務的協力の促進と相互運用性の強化
平時から危機に至る全段階における強靱性の強化
四つの優先課題と十六の協力分野
以下四つが優先課題。
新たな安保課題(下記一~五)
従来からの安保課題(六~八)
協力活動の拡大(九~十四)
基本的価値の促進(十五~十六)
以下が十六の協力分野。
サイバ防衛
戦略的コミュニケーション
新興破壊技術(AI、量子等)
宇宙安保
気候変動と安保
海洋安保
軍備管理、軍縮・不拡散
対話・協議
危機管理
科学・技術
相互運用性の為の実務的協力
相互運用性の為の能力開発
強靱性・即応準備
広報外交
女性・平和・安保
人間の安保
本計画に基づく協力の変化
従来からの安保課題に加え、近年協力が進展しているサイバ防衛、情報操作を始めとする新たな脅威についても、実務的な活動への日本国の参加(Nの演習へのオブザーバー参加等)の機会を拡充。
自然災害や人的要因に基づく「危機事態」へ対処しつつ強靱性を高めるべく、日N間で連携した緊急援助活動や第三国からの退避オペレーション等につき、共同行動の実現に向けて準備。
サイバ防衛やハイブリッド脅威、宇宙等の新しい安保課題につき、Nの関係機関等が主催する訓練・研修に参加。以上の実務的協力を円滑に進めるべく、日N間の情報共有能力の強化に取組んでいく。