
【日本考察】 日本人のルーツを知る上で欠かせないのが、他のエリアとの比較。東アジアに位置する日本は、他の東アジアのエリアと比較して如何様に異なるのか。
令和三年十一月二十八日に「駿台予備学校」「N予備校」の世界史科・茂木誠 講師は、動画『教科書には無いDNA解析で分かった古代日本人の起源〜後半〜/むすび大学』にて科学的説明をした。茂木講師は、「一九八〇年代にDNAの鑑定が始まって全部答えが出ました。」と言い切る。
米の日本伝来等につき、朝鮮半島説を学者達は唱えていたが、「これも間違っていました。朝鮮ではなく、南中国のですね、長江の流域。今の上海とか南京のあの辺。」と伝える。科学的根拠は人骨・米のDNA。「ピッタリ合っています。」と微笑む。
<ミトコンドリアとY染色体>

遺伝は「細胞核DNA」と「ミトコンドリアDNA」が担う。後者は、細胞核以外に存在する唯一のDNA。そのミトコンドリアにつき、「(細胞内の小器官)ミトコンドリアのDNAっていうのは、母方から受け継ぐんですよ。」と説明。
南中国から日本へ渡ってきた人が「渡来系弥生人」。弥生時代(BC四世紀~AD三世紀頃)に「渡来系弥生人は、だいたい九州や山口に一杯いて、略南中国と同じです。遺伝子は。」と話し、渡来系弥生人が東北まで進出した事を伝えた。東北で止まった理由は、稲作可か不可か。弥生時代の北海道と沖縄には縄文系のみが残った。併せて、アイヌ民族(オホーツク人×縄文人)についても科学的説明をした。
前者「細胞核(DNA)」のY染色体にも触れた。Y染色体を分析すれば、「日本が過去にどういう民族によって征服されていたか分かりますよね。」と話し、東アジア・東南アジアのY染色体の分布図を掲示。南中国からの渡来系弥生人は縄文人を征服しなかった。
北方;オホーツク人
日本;縄文人
南中国(長江);渡来系弥生人
インドシナ(メコン河下流);越人
北中国(黄河):漢人
縄文系と弥生系は混ざった。その時期は古墳時代(AD三世紀~七世紀)と伝え、「三千五百年間は山の方に縄文人が居て、平地に弥生人が居て、(日本に)一緒に居たんですよ。」と話した。但し、漢人もそれなりの割合があり、越人も僅かにある。
この頃の話は記紀にある。大陸において縄文人と同じDNAを有しているのは、チベット人。「アジア全体に、縄文人と同じ遺伝子が拡がっていた。」と茂木講師は仮説。科学的データを踏まえながら、下部の記事「日本人のルーツ、天皇が天皇になる前の古代『西日本大戦(縄文~弥生時代)』」を読むと、理解が更に深まるだろう。
画像:教科書には無いDNA解析で分かった古代日本人の起源〜後半〜/むすび大学